家庭菜園でよく出る害虫ベスト10と対策【見分け方・発生時期・予防&駆除を全部のせ】

家庭菜園でよく出る害虫ベスト10と対策【見分け方・発生時期・予防&駆除を全部のせ】

この記事は、家庭菜園で発生頻度が高い害虫トップ10を「見分け方→被害→今すぐできる処置→再発予防」の順で整理しました。
ベランダ・プランター・畑すべてに対応。判定フロー・早見表・月別対策カレンダー付きで、現場で迷いません。

この記事でわかること
  • よく出る害虫ベスト10の見分け方/発生時期/食害サイン
  • すぐ効く対処(15分でできる)と、長期的な再発予防
  • ベランダ・プランターでの防虫ネット・粘着トラップ・用土運用のベストプラクティス
  • 月別の予防カレンダーと、資材の使い分け

  1. まずは早見表|症状→犯人あたり一覧
  2. 判定フロー|5ステップで犯人を絞る
  3. 害虫ベスト10|見分け方→即効対策→再発予防
    1. ① アブラムシ(春〜秋/新芽が縮れる・ベタつき)
    2. ② コナジラミ(春〜秋/葉裏の白粉・飛び散る白い小虫)
    3. ③ アザミウマ(スリップス/初夏〜秋/花・若葉が銀白に)
    4. ④ ハモグリバエ(エカキムシ/春〜秋/葉に白い迷路)
    5. ⑤ ハダニ(高温乾燥で急増/葉裏に赤小粒)
    6. ⑥ ネキリムシ/ヨトウムシ(春〜秋/夜間に苗を切る・群食)
    7. ⑦ コナガ/アオムシ(春〜秋/アブラナ科がスカスカ)
    8. ⑧ ノミハムシ(春〜初夏/ピョンと跳ね、点食い)
    9. ⑨ カメムシ(夏〜秋/果実吸汁で変形・コルク化)
    10. ⑩ ナメクジ・カタツムリ(梅雨〜秋/夜間に葉を齧る)
  4. 発生させない環境づくり|予防5本柱
  5. 月別対策カレンダー(温暖地目安)
  6. 資材の使い分け(現場で迷わないミニ辞典)
  7. プランター・ベランダでのコツ
  8. よくある質問(Q&A)
    1. Q1. オーガニック志向ですが、まったく薬を使わずにできますか?
    2. Q2. 花が奇形になって実が付かない…犯人は?
    3. Q3. 定植直後から葉に小穴が…
    4. Q4. 何をしてもアブラムシが出る
    5. Q5. 雨のあとに一気に被害が増えるのはなぜ?
  9. 被害レベル別の即応テンプレ
    1. いま(15分)
    2. 今週(〜7日)
    3. 今季(シーズン)
  10. 次に読むおすすめ

まずは早見表|症状→犯人あたり一覧

症状サイン疑われる害虫主な被害部位初動
葉が吸われて縮れる/ベタつき(すす病)アブラムシ・コナジラミ・アザミウマ新芽・葉裏水勢シャワー→黄色トラップ→殺虫石鹸/油脂
葉裏に白い粉、飛び散る小さな白虫コナジラミ葉裏黄色トラップ→葉裏散布→風通し改善
葉が銀白色に荒れる、花が変形アザミウマ(スリップス)花・若葉青色トラップ→花部重点散布
葉脈に沿って白い線の落書きハモグリバエ(エカキムシ)葉身被害葉を除去→黄色トラップ
葉に微細な白斑、葉裏に赤い粒ハダニ葉裏葉裏に水霧→葉裏重点散布→湿度管理
苗が朝突然バッサリ、地際カットネキリムシ/ヨトウムシ地際・葉夜間捕殺→株元カラー→畝の清潔化
葉がレース状/小さな穴だらけコナガ・アオムシ(チョウ目)葉身手取り→BT剤→防虫ネット
小さな黒い甲虫が跳ねる/点食いノミハムシ(ハムシ類)葉身ベタがけ→銀反射マルチ→畝肩施用剤
実が変形・吸汁痕、異臭カメムシ果実捕殺→防虫ネット→周辺雑草管理
夜間に葉がかじられる/ヌメ跡ナメクジ・カタツムリ葉・幼苗誘引駆除剤→銅テープ→潅水時間調整
とまとま
とまとま

「葉裏を見る」「朝夕に見回る」——この2つで発見が一気に早くなるよ!


判定フロー|5ステップで犯人を絞る

  1. 被害部位:新芽/葉裏/地際/果実/花。
  2. 被害タイプ:吸汁(縮れ・ベタつき)/咀嚼(穴)/潜葉(白線)。
  3. 行動時間:昼(飛翔系)/夜(ヨトウ・ナメ)。
  4. 現場サイン:フン(黒粒)/白い粉(コナジ)/ヌメ跡(ナメ)。
  5. 発生時期:春〜初夏/梅雨/真夏/秋口。

害虫ベスト10|見分け方→即効対策→再発予防

① アブラムシ(春〜秋/新芽が縮れる・ベタつき)

  • 見分け:葉裏・新芽に群生。甘露でベタつき→すす病。
  • 被害:生長停滞、ウイルス媒介。
  • 今すぐ:強めシャワーで物理除去→殺虫石鹸/園芸用油脂を葉裏へ。
  • 再発予防黄色粘着トラップ設置、風通しUP、銀反射マルチ。混植にネギ・チャイブ。

② コナジラミ(春〜秋/葉裏の白粉・飛び散る白い小虫)

  • 見分け:触ると白い小虫が舞う。葉裏に白い粉状。
  • 被害:吸汁で黄化、すす病。
  • 今すぐ黄色トラップ→葉裏に油脂/石鹸→古葉除去。
  • 再発予防:定植直後は不織布ベタがけ、混み合い剪定。

③ アザミウマ(スリップス/初夏〜秋/花・若葉が銀白に)

  • 見分け:細長く素早い。花が茶変・奇形。
  • 被害:花や果実の品質低下、ウイルス媒介。
  • 今すぐ青色トラップ→花部・若葉へ重点処置。
  • 再発予防:雑草花の除去(誘引源)、銀反射資材。

④ ハモグリバエ(エカキムシ/春〜秋/葉に白い迷路)

  • 見分け:葉の中に潜って白線状に食害。
  • 被害:光合成低下、観賞性ダウン。
  • 今すぐ:被害葉を摘除→黄色トラップ→若葉保護。
  • 再発予防:幼苗期はベタがけ、多発畝は作付け間隔を空ける。

⑤ ハダニ(高温乾燥で急増/葉裏に赤小粒)

  • 見分け:葉裏に微小ダニ。葉面が白くカスれる。
  • 被害:生長停滞・早枯れ。
  • 今すぐ葉裏に霧水→油脂/石鹸→被害葉を更新。
  • 再発予防:乾燥期は朝の葉水・風通し・株間の確保。

⑥ ネキリムシ/ヨトウムシ(春〜秋/夜間に苗を切る・群食)

  • 見分け:夜活動。ネキリは地際でカット、ヨトウは葉を群食。
  • 被害:苗の消失・葉が一夜でスケスケ。
  • 今すぐ夜間の捕殺紙カラーで株元保護、根元に浅い溝。
  • 再発予防:畝を清潔に(雑草・残渣撤去)、黒マルチで産卵抑制。

⑦ コナガ/アオムシ(春〜秋/アブラナ科がスカスカ)

  • 見分け:小さな青虫・緑幼虫。葉裏に卵。
  • 被害:葉がレース状、芯食い。
  • 今すぐ手取りBT剤(若齢に効く)。
  • 再発予防防虫ネット0.6〜0.8mm、定植直後のベタがけ。

⑧ ノミハムシ(春〜初夏/ピョンと跳ね、点食い)

  • 見分け:黒い小甲虫、触ると跳ねる。若苗期に要注意。
  • 被害:葉に小穴が無数→生長停滞。
  • 今すぐ不織布ベタがけ、銀反射、畝肩粉剤。
  • 再発予防:播種〜定植初期の保護徹底、周辺雑草処理。

⑨ カメムシ(夏〜秋/果実吸汁で変形・コルク化)

  • 見分け:三角形の背、刺激臭。
  • 被害:トマト・オクラ・豆などの品質劣化。
  • 今すぐ捕殺(ビニール袋)、若果期は防虫ネット
  • 再発予防:畦畔の雑草・イネ科を短く保つ(避難所にしない)。

⑩ ナメクジ・カタツムリ(梅雨〜秋/夜間に葉を齧る)

  • 見分け:夜出る。ヌメ跡。柔らかい葉を好む。
  • 被害:幼苗の全滅・果実傷。
  • 今すぐ誘引駆除剤散布、銅テープ、ビールトラップ。
  • 再発予防:潅水は朝、落ち葉・藁の溜まり場を作らない。

発生させない環境づくり|予防5本柱

  1. 物理バリア不織布ベタがけ・防虫ネット(小虫は0.6〜0.8mm、チョウ目は1.0〜1.5mmでOK)。
  2. 見回りと捕殺:朝夕5分、葉裏新梢を見る。被害葉は早めに更新。
  3. トラップ:黄色(アブラムシ・コナジ・ハモグリ)/青色(アザミウマ)を畝端へ。
  4. 清潔な畝:残渣持ち出し、周辺雑草の刈り込み、泥はね防止にマルチ。
  5. 多様性:混植(ネギ・バジル・マリーゴールド等)で単作より害虫圧を下げる。

月別対策カレンダー(温暖地目安)

時期警戒害虫やること
3–4月ノミハムシ・アブラムシ不織布ベタがけ、苗の順化、黄色トラップ設置
5–6月コナガ・アオムシ・コナジラミ定植直後のネット徹底、BT剤若齢対策
7–8月ハダニ・アザミウマ・カメムシ葉裏の霧水、青色トラップ、畦畔の除草・防虫ネット
9–10月ヨトウ・ハモグリバエ夜間見回り、被害葉除去、黄色トラップ更新
11–2月越冬世代チェック残渣の場外処分、支柱・ハサミの消毒、畝の整備

資材の使い分け(現場で迷わないミニ辞典)

  • 殺虫石鹸/園芸用油脂:吸汁系(アブラムシ・コナジ)に。葉裏を重点。高温時は薬害注意。
  • BT剤:チョウ目幼虫(コナガ・アオムシ)の若齢に選択的。雨後は再処理。
  • スピノサド等:アザミウマ・ハモグリなど広く効きやすい。ローテーションで耐性回避。
  • 誘引駆除剤(ナメクジ):雨に強いタイプを選び、食害地点の周囲にリング状配置。
  • 粘着トラップ:黄色=アブラムシ/コナジ/ハモグリ、青=アザミウマ。畝の外周と株近くに低め設置。
  • 防虫ネット:立てる・覆う・ベタがけ。小虫は0.6〜0.8mm推奨。

※薬剤は必ずラベルに従い、収穫前日数・使用回数・希釈濃度を厳守。高温期・幼苗への散布は薬害に注意。


プランター・ベランダでのコツ

  • 乾湿の極端を避ける:ハダニ(乾燥)・コバエ(過湿)を招く。朝灌水+夕方観察
  • 用土の再生:世代交代ごとに天日干し→太陽熱(夏)or 熱湯(季節)→再生材で配合更新。
  • 受け皿の水を放置しない:虫の繁殖源に。潅水後は捨てる。
  • ネットは「鉢ごと」:株だけでなくプランター全体を覆うと侵入が激減。

よくある質問(Q&A)

Q1. オーガニック志向ですが、まったく薬を使わずにできますか?

可能です。ただし物理防除(ネット・手取り・トラップ)の徹底と、発見の早さが鍵。どうしても厳しい場合は選択的資材(BT/油脂/石鹸)を「必要最小限」で。

Q2. 花が奇形になって実が付かない…犯人は?

アザミウマの可能性大。青色トラップと花部重点処置、銀反射マルチで寄せ付けにくく。

Q3. 定植直後から葉に小穴が…

多くはノミハムシ。播種〜定植直後はベタがけで物理遮断し、銀反射や畝肩粉剤を補助的に。

Q4. 何をしてもアブラムシが出る

風通し・株間・窒素過多の見直しを。柔らかい新芽は狙われます。混植(ネギ類)と黄色トラップを常設。

Q5. 雨のあとに一気に被害が増えるのはなぜ?

湿度や密度が上がり、コナジラミ・ハモグリ・ヨトウなどが一斉に活発化。雨の翌日は見回り強化日と覚えておくと◎。


被害レベル別の即応テンプレ

いま(15分)

  • 葉裏チェック→被害葉は袋に入れて場外へ。
  • 黄色/青色トラップを追加・更新。
  • 吸汁系には油脂/石鹸を葉裏へ、小さくテストしてから全体に。

今週(〜7日)

  • 不織布ベタがけ(幼苗期)/防虫ネット(定植後)。
  • 黒マルチ・敷き藁で泥はね防止、畦畔の除草。
  • BT剤や選択的資材はローテーションし、耐性を防ぐ。

今季(シーズン)

  • 混植・輪作・定植時期の見直し(高温ピークを避ける)。
  • ベランダは用土を再生→ECリセットし、世代交代ごとに若返らせる。
とまとま
とまとま

害虫ゼロは目指さない。発見を早く・被害を小さくがプロの考え方だよ〜!


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