畑版|土づくり完全バイブル【pH・EC・団粒・緑肥・輪作・高畝まで網羅】

  1. 序章|畑の土づくりは「診断→設計→処方」で9割決まる
  2. 良い畑土の条件(チェックリスト)
  3. 土質を見極める:3つのクイック診断
    1. ① リボンテスト(手触り)
    2. ② ジャーテスト(沈降)
    3. ③ 透水・滞水テスト
  4. pHとECの初期測定
  5. 畑の区画設計:畝幅・通路・排水
  6. 土質別:改善の方向性
  7. 畑の“硬盤”を疑う(サブソイラーがなくてもできる対策)
  8. 基準値の目安(一般野菜)
  9. タイムラインで分かる「畑の土づくり」
  10. 用量の目安(標準的な畑)
  11. 新規開墾のケース
  12. 既存畑のアップグレード
  13. 二重掘り(ダブルディギング)で根域を広げる
  14. 緑肥(カバークロップ)で土を育てる
  15. マルチングの使い分け
  16. 石灰の選び方と注意点
  17. 失敗パターンと回避
  18. 肥料設計の考え方(N-P-Kと作物群)
    1. N(チッ素)
    2. P(リン酸)
    3. K(カリ)
  19. 元肥の目安(一般土壌・m²あたり)
    1. 作物群別の配分指針(元肥NPKのバランス)
  20. 有機肥料の使い分け(性格を知る)
  21. 追肥設計(タイミングと量の目安)
  22. 畝あたりの施肥量をサクッと求める式
  23. 微量要素と症状の見分け
  24. 輪作(ローテーション)で土を守る
    1. 科と代表作物
    2. 3年輪作例
    3. 4年輪作例(安定型)
  25. 灌水(かんすい)設計:土質別・季節別の型
    1. 大雨時のレスキュー
  26. 雑草管理:予防7割・除草3割
  27. 土壌病害と連作障害:代表例と土づくり対策
    1. ナス科の萎凋・青枯(トマト・ナス等)
    2. アブラナ科の根こぶ病(キャベツ・ダイコン等)
    3. 菌核病・白絹病(広範)
    4. 土壌消毒(家庭向けの現実解)
  28. 緑肥(カバークロップ)ローテの実用テンプレ
    1. 1年型(春夏作→秋緑肥)
    2. 2年型(豆を挟んで地力アップ)
    3. 夏の乾燥地向け
  29. 土壌害虫(ネキリムシ・コガネムシ幼虫など)への土づくり的対処
  30. 畑インフラ設計で“土を守る”
  31. よくあるQ&A(畑×土づくり総仕上げ)
    1. Q1. いつ耕すのがベスト?
    2. Q2. 粘土質が強すぎてスコップが入らない…
    3. Q3. 砂質で肥料が流れる
    4. Q4. 収穫量を上げたいなら、何から?
    5. Q5. 連作避けたいけど場所が足りない
  32. 運用テンプレ(畝ごとチェックリスト)
  33. まとめ|畑の土づくりは“設計→処方→継続”で仕上がる

序章|畑の土づくりは「診断→設計→処方」で9割決まる

畑の収量・味・病害リスクは、苗や肥料より土づくりの質で大きく変わります。まず今ある土を正しく「診断」し、畑のレイアウトや排水構造を「設計」してから改良材の「処方」を決める――この順番が近道です。

良い畑土の条件(チェックリスト)

  • 団粒構造が発達(手で握るとまとまり、軽く指で崩れる)
  • 透水性と保水性の両立(大雨後に水たまりが残らず、乾きすぎない)
  • 有機物含量が適正(腐植が1.5〜5%目標)
  • pHが作物に合う(多くの野菜でpH6.0〜6.5。例外:ジャガイモはやや酸性寄り可)
  • 通気性(スコップが20〜30cmスッと入る/硬盤がない)

土質を見極める:3つのクイック診断

① リボンテスト(手触り)

湿らせた土を指で押し伸ばし、粘土分が多いほど“帯状(リボン状)”に伸びる。砂質→伸びない/ローム→少し伸びる/粘土質→長く伸びる。

② ジャーテスト(沈降)

  1. 土1、洗剤1滴、水8を透明ビンに入れて振る。
  2. 数時間〜一晩で砂→シルト→粘土が層状に沈む。層の厚み比で土質を把握。

③ 透水・滞水テスト

30×30cmを深さ30cm掘り、バケツ1杯の水を注ぐ。30分以内に引けば良好。数時間残るなら排水改善(高畝・明渠/暗渠)が必要。

pHとECの初期測定

  • pH:試薬紙/メーターで数点サンプリング→平均。pH5.5以下は苦土石灰などで矯正。
  • EC:肥料塩類の指標。高い→塩類集積、洗い流し灌水と有機物で緩和。

畑の区画設計:畝幅・通路・排水

要素推奨ポイント
畝幅70〜100cm人が片側から届く幅=作業性UP/踏圧回避で土が締まりにくい
畝高10〜20cm(多雨地は25〜30cm)高畝で排水◎、乾燥地は低畝で保水◎
通路幅30〜40cm通路は踏む場所=常時固めてOK(雑草抑制に防草シート可)
明渠畝間or区画外周豪雨時に水を逃がす“小さな水路”を設置

土質別:改善の方向性

土質弱点改善材・方法
砂質保水・肥料保持が弱い完熟堆肥・腐葉土・バーミキュライト・ゼオライトで保水とCECを底上げ
粘土質排水・通気が悪い粗い川砂・くん炭・パーライト、高畝+明渠、冬の凍結融解で自然砕土
ローム維持管理毎年の完熟堆肥2〜3kg/m²で団粒維持、踏圧を避ける

畑の“硬盤”を疑う(サブソイラーがなくてもできる対策)

  • スコップや棒が20cm付近でカチッと止まる→耕盤の可能性。
  • フォークで垂直に刺し、前後に揺すって空隙を作る(年2回)。
  • 根を深く伸ばす緑肥(エンバク/ライ麦/ソルゴー)で自然破砕。
とまとま
とまとま

診断が決まれば半分勝ち!土を“治療”するのはそのあとだよ〜


基準値の目安(一般野菜)

  • pH6.0〜6.5(ホウレンソウは6.5前後、ジャガイモは5.2〜6.0でも可)
  • 有機物(腐植)2〜5%、容積重0.9〜1.3、CEC 10〜25程度を目標

タイムラインで分かる「畑の土づくり」

  1. 除草・残渣除去(雑草根・石・根株を撤去)
  2. pH矯正(苦土石灰など)→1〜2週間休ませる
  3. 有機物(完熟堆肥/腐葉土)投入
  4. 元肥設計(化成or有機)
  5. 耕起(20〜30cm/硬盤があればフォークで破砕)
  6. 畝立て&明渠
  7. 定植・播種(土が落ち着いたら)

用量の目安(標準的な畑)

  • 苦土石灰:100〜150g/m²(pHに応じて調整)
  • 完熟堆肥:2〜3kg/m²(粘土質は多めに、砂質も多めに)
  • 元肥(化成14-14-14等):80〜120g/m² or 有機肥料等量

※未熟堆肥や生の牛/鶏ふんはNG(ガス障害・病害リスク)。完熟品を選択。

新規開墾のケース

  1. 根株・大型石を撤去。雑草は根まで掘り取る。
  2. 石灰散布→攪拌→1〜2週間の養生(化成肥料と同時は不可)。
  3. 完熟堆肥・腐葉土を均一散布→耕起。粘土質は川砂・くん炭を1〜2L/m²追加。
  4. 排水計画:区画外周に浅い明渠、畝は傾斜の下手へ水が流れる向きで。
  5. 畝立て:70〜100cm幅、10〜20cm高(多雨地25〜30cm)。土が落ち着いたら定植。

既存畑のアップグレード

  • 土が硬い:年2回のフォーク破砕+緑肥(ライ麦/エンバク)で根に耕してもらう。
  • 過湿:高畝化、畦間に明渠、通路へ砂利or防草シートで泥化防止。
  • 乾燥:低畝+有機物増、バーク/わらマルチで蒸散抑制。

二重掘り(ダブルディギング)で根域を広げる

  1. 畝幅分を深さ30cm掘り、表土を一旦隣へ移す。
  2. 底土に堆肥・くん炭を軽く混ぜ、突き崩す(混ぜすぎない)。
  3. 隣の表土を戻し、表層にも堆肥を混和→均す。

機械なしでも通気・保水が改善し、根がスッと下へ伸びる土に。

緑肥(カバークロップ)で土を育てる

作物目的播種量の目安すき込み時期
ヘアリーベッチ(マメ科)窒素固定・地力UP10〜20g/m²開花前
ライ麦/エンバク根で硬盤破砕・有機物供給10〜15g/m²穂立ち前
ソルゴー夏の有機物供給・乾燥抑制1〜2g/m²草丈50〜80cm

すき込み後は2〜3週間の分解期間を置いて窒素飢餓を回避。

マルチングの使い分け

  • わら/バーク:保水・地温安定・土跳ね防止(病害軽減)。
  • 黒マルチ:地温上昇・雑草抑制、雨天作業性UP。
  • シルバー:アブラムシ忌避。

石灰の選び方と注意点

種類特徴注意
苦土石灰Mg補給+安定元肥と同時混和NG
有機石灰(カキ殻)緩やか効果が出るまで時間
消石灰即効強アルカリ・取り扱い注意
とまとま
とまとま

「石灰→休ませる→堆肥→元肥→耕す→畝」この順番を守ると失敗がグッと減るよ!


失敗パターンと回避

  • 石灰と窒素肥料の同時投入→ガスで効かない:必ず時差。
  • 未熟堆肥を大量投入→窒素飢餓・病害:完熟に限定。
  • 畝高が低いのに多雨→根腐れ:高畝+明渠+通路整備。

肥料設計の考え方(N-P-Kと作物群)

肥料は「作物のステージ」と「作物群(果菜・葉菜・根菜・豆科)」で設計します。土づくりの目的は、根を健全に・過不足なく・持続的に養分を供給すること。以下は家庭菜園で扱いやすい基準です。

N(チッ素)

  • 葉を育てる原動力。不足→葉が黄化・生育停滞。過多→徒長・病害虫リスク増。
  • 葉菜はやや多め、果菜は前半控えめで開花後に効かせるのがコツ。

P(リン酸)

  • 根張り・開花結実・糖度と関係。冷え込み時は効きにくくなる。
  • 果菜・根菜はPを嫌わない。元肥からしっかり配る。

K(カリ)

  • 根・茎の強さ・耐病性・品質に直結。水分調節にも寄与。
  • 根菜・果菜で重視。キレの良い味や貯蔵性に効く。

元肥の目安(一般土壌・m²あたり)

  • 化成肥料(8-8-8〜14-14-14):80〜120g/m²(土質・作物により調整)
  • 完熟堆肥:2〜3kg/m²(砂質・粘土質は多め、ロームは維持量)
  • 苦土石灰:100〜150g/m²(pHに応じて・石灰は肥料と同時混和NG

※具体の施肥量は使用製品のラベル基準を優先。以下は「考え方のテンプレ」です。

作物群別の配分指針(元肥NPKのバランス)

作物群バランス指針ポイント
果菜(トマト・ナス・ピーマン等)N:P:K ≒ 1:1.2:1.5前半N控えめ/開花以降に追肥で持続
葉菜(レタス・ホウレンソウ等)N:P:K ≒ 1.3:1:1.2Nを切らさないが過多で徒長に注意
根菜(ダイコン・ニンジン等)N:P:K ≒ 0.8:1.2:1.5元肥中心・偏り防止。塊根の割れ/二股に注意
豆類(エダマメ・インゲン等)N:P:K ≒ 0.5:1:1.2根粒菌でN自給。N過多は着莢不良へ

有機肥料の使い分け(性格を知る)

資材主な栄養特徴使いどころ
油かすNゆっくり効く。分解に時間葉菜の元肥・果菜の前半
骨粉P根・花・実向け。即効〜緩効果菜・根菜の元肥
魚かすN・微量要素分解早め。風味あり活着後の追肥・寒冷期
草木灰K・Caアルカリ性。即効根菜・果菜の味締め/酸性土の補正
鶏ふん(完熟)N・P・K効き早め。塩分に注意広く。少量分散

未熟堆肥・生ふんはNG。ガス障害や病害のリスク増。

追肥設計(タイミングと量の目安)

作物群時期目安ポイント
果菜活着2週間後→着花期→果実肥大期1回20〜40g/m²(化成)を畝肩に、または薄めの液肥株元に近づけすぎない/水と併用
葉菜外葉展開開始〜収穫まで2〜3週ごと薄め液肥 or 少量の化成をこまめに徒長に注意。葉色で調整
根菜間引き後〜肥大開始期ごく少量(K寄り)やりすぎると裂根・二股
豆類つる伸長〜開花直前P・K中心に薄めNは控えめ(莢つき優先)

畝あたりの施肥量をサクッと求める式

畝面積(m²)=畝幅(m)×畝長(m)。例:畝幅1.0m×長さ5m=5m²。
化成100g/m²なら、5m²→500g が目安。

微量要素と症状の見分け

  • Mg欠乏:古い葉の葉脈間が黄化。→苦土石灰・苦土入り液肥。
  • Ca欠乏:先端の生長点不良・尻腐れ(トマト)。→石灰・Ca入り液肥/水分安定。
  • B欠乏:芯止まり(アブラナ科)。→ボロン入り資材を微量(過多厳禁)。

輪作(ローテーション)で土を守る

同じ科の連作は土壌病害・害虫を蓄積。3〜4年回しが基本です。

科と代表作物

代表
ナス科トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモ
アブラナ科キャベツ・ブロッコリー・ダイコン・コマツナ
セリ科ニンジン・パセリ・セロリ
マメ科エダマメ・インゲン・ソラマメ
ヒユ科ホウレンソウ・フダンソウ
ウリ科キュウリ・カボチャ・スイカ

3年輪作例

  1. 年1:ナス科(果菜)
  2. 年2:マメ科(窒素固定・地力回復)
  3. 年3:アブラナ科 or セリ科(根菜/葉菜)

4年輪作例(安定型)

  1. 年1:果菜(ナス科/ウリ科)
  2. 年2:葉菜(アブラナ科/ヒユ科)
  3. 年3:根菜(セリ科/アブラナ科)
  4. 年4:マメ科+緑肥(ヘアリーベッチ/ライ麦)

小区画では「畝ごとに年札」を立てて管理。接ぎ木苗の活用も有効。


灌水(かんすい)設計:土質別・季節別の型

  • 砂質:少量多回数。朝メイン/猛暑日は夕方チェック。
  • ローム:表土が乾いたらドッと与えて底から抜く。頻度は週2〜3〜気象次第。
  • 粘土質:過湿厳禁。高畝+通気確保。乾きのムラに注意。

共通:指で3〜4cm掘って湿りを確認。天水(雨)後の過湿は中1〜2日空ける。

大雨時のレスキュー

  • 畝肩を軽く崩して「逃げ水路」を一時的に作る。
  • 雨後は通路の滞水を明渠へ誘導。根の呼吸を回復。

雑草管理:予防7割・除草3割

  • スタale seedbed(偽播種):耕す→1週間待って雑草発芽→浅く除草→本播種。
  • マルチング:黒マルチ/わら/バークで光遮断&土はね防止。
  • 通路は踏んでOK:踏圧で固め、必要なら防草シート+砂利。
  • 根から切る:ホー・けずっ太郎等で浅刈り。抜き跡は軽く覆土。
とまとま
とまとま

「必要な時に必要なだけ」——肥料も水もそれが合言葉。輪作とマルチで安定感アップだよ!

— # ✅ Part 4|土壌病害・連作障害の実践対策/緑肥ローテ/Q&A&まとめ “`html

土壌病害と連作障害:代表例と土づくり対策

ナス科の萎凋・青枯(トマト・ナス等)

  • 症状:急にしおれ、葉脈が褐変。導管のトラブルが多い。
  • 対策:輪作(3〜4年)・高畝・排水改善・接ぎ木苗・太陽熱消毒・雑草根の徹底除去。

アブラナ科の根こぶ病(キャベツ・ダイコン等)

  • 症状:根がこぶ状に膨れる、萎れ。
  • 対策:pHをやや高めに維持(苦土石灰)・輪作・乾湿ムラ回避・抵抗性品種。

菌核病・白絹病(広範)

  • 症状:地際の白い菌糸・子のう殻、茎の腐敗。
  • 対策:通風・株間・マルチで土はね防止、残渣を持ち出す、過湿回避。

土壌消毒(家庭向けの現実解)

  • 太陽熱消毒:夏、畝に十分灌水→透明ビニールで密着被覆→2〜4週間。途中でかき混ぜ。
  • 石灰窒素:扱い注意。必ずラベル遵守・作付までの待機期間を守る。

緑肥(カバークロップ)ローテの実用テンプレ

緑肥は「土の筋トレ」。有機物供給・病害虫抑制・硬盤破砕・地力回復に効きます。

1年型(春夏作→秋緑肥)

  1. 春〜夏:果菜(トマト/ナスなど)
  2. 秋:ライ麦 or エンバクを条播→冬越し→翌春、穂立ち前にすき込み→葉菜へ

2年型(豆を挟んで地力アップ)

  1. 年1:果菜
  2. 年2:マメ科(エダマメ)→跡にヘアリーベッチ→開花前に鋤き込み→根菜へ

夏の乾燥地向け

  • ソルゴーで被覆→草丈50〜80cmで粉砕・すき込み→有機物を一気に追加。

緑肥すき込み後は微生物の分解に窒素を使うため、2〜3週間の分解期間を置くと安全。


土壌害虫(ネキリムシ・コガネムシ幼虫など)への土づくり的対処

  • 耕起のタイミング:幼虫が浅層にいる季節に耕して露出→鳥に食べてもらう。
  • 清潔な畝:雑草根・残渣を持ち出し、産卵場所を減らす。
  • 物理防除:防虫ネット・苗の首元にカラー(紙カラー)で食害を防止。
  • 土を健全に:団粒・排水・pHを整えると、根の再生力が上がり被害に耐える。

畑インフラ設計で“土を守る”

  • 資材置場:堆肥・くん炭・砂・バークは雨を避けて保管(流亡と劣化防止)。
  • 通路設計:通路は踏み固めてOK。作業動線を短く。
  • 水源:雨水タンク+ホースで灌水を楽に。泥はね軽減=病害軽減に直結。

よくあるQ&A(畑×土づくり総仕上げ)

Q1. いつ耕すのがベスト?

土が乾きすぎず湿りすぎない時。塊が拳大で崩れる程度。雨直後や極端な乾燥時は避け、構造を壊さない。

Q2. 粘土質が強すぎてスコップが入らない…

高畝+明渠でまず排水。冬の凍結融解を利用しつつ、粗い砂・くん炭・堆肥を年単位で追加。緑肥の根で自然破砕。

Q3. 砂質で肥料が流れる

堆肥・腐葉土・ゼオライトでCEC(養分保持)を底上げ。緩効性肥料を小分けで。

Q4. 収穫量を上げたいなら、何から?

畝高と排水→団粒(堆肥)→元肥の順。水はけの悪さは全てを台無しにするので最優先で改善。

Q5. 連作避けたいけど場所が足りない

接ぎ木・緑肥・ポット栽培の併用で回避。同一科を隣畝で翌年植えないだけでも効果。


運用テンプレ(畝ごとチェックリスト)

  1. 収穫後:残渣の持ち出し→簡易耕起→天日干し
  2. pH測定→必要なら石灰→1〜2週間養生
  3. 完熟堆肥2〜3kg/m²+元肥→耕起20〜30cm
  4. 畝立て(幅70〜100cm・高10〜20cm/多雨地25〜30cm)
  5. マルチ(必要に応じて)→定植・播種
  6. 追肥・灌水を「少量×タイミング良く」
とまとま
とまとま

「排水・団粒・輪作」——この三種の神器で、畑は毎年強くなるよ!

まとめ|畑の土づくりは“設計→処方→継続”で仕上がる

  • 診断(土質・pH・透水)→設計(畝・通路・明渠)→処方(堆肥・石灰・元肥)
  • 作物群別にNPK配分を変える。追肥はフェーズごとに「少量×的確」。
  • 輪作と緑肥で病害をためない。物理的な土づくりを続けるほど収量・品質は安定。

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